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11月27日(日)
まだ明るい初夏の夕方からにAucklandの郊外からTaurangaに走る車の外から庭が素敵な家々が消え、絵本で見た白黒模様の乳牛の大群や羊、馬が現れる。 やがて黒い雲が少し暮れた灰色の空にかかっている低い山間に、三日月がゆりかごの形をして寝ている。そのそばに一つだけ大きな星がつき添っている。 ああ~こんな光景は私は子守唄で見たことがある! そばにうたた寝しているKを見て、思わずHey diddle diddle, the cat and the fiddle, the cow jumped over the moon...と口ずさんでしまう。 くねくねと車がゆき、周りは低い山の起伏だけとなり、そのうち崖と谷の間を自分たちだけが走っている。また車窓の外に目をやったら、数え切れぬ星がキラキラと漆黒の空を鏤めている。 8月20日(土)
![]() ![]() 路肩がない狭い車道をKを抱えて歩き渡ると、サイクリングロードから深く下った土手の針槐の雑木林の下にヤブランが群生しているのに気付く。砂袋でできた階段を慎重に降りてその風景の中に身を置いたら、いつかの夏に遠い里山に行った時の感覚に襲われる。 7月15日(金)
![]() 途中見に来たYがたどたどしい作業のせいでストーブの周りに飛び跳ねてついた汚れや黒ずんだ赤色の鍋の中身を見て、 魔女の鍋みたいだと大喜び、写真を撮ればと言う。 それでも、シロップがとても美味しいとおすそわけしたRに褒められ;瓶に詰めたジャムも仕事で来た姉に持たせ、国の姉兄に渡してもらう。 ![]() 近頃めっきり 見せて と言わなくなった、Rに昔もらった小人たちの靴々も 触りたい と言い、取り出して裸足のMathildaに履かせようとしたりして遊んだ。 人形と本と靴々を一枚の写真に収めてみたら、精緻にできているたくさんのお靴をMathildaがびっくり顔で見ている画になっている。 春
小学生の時に、教科書に書いている「透明・不透明・半透明物体と太陽の光と影の関係」を、透明なはずの水滴の影がちゃんと縁取っていることを見て、腑に落ちなかった。科学チックな説明はきっと美しい現象の場合は説明しきれるものではないと勝手に思った。 ![]() ![]() 初夏 気がつけば、網戸と古すぎたざらつくドット模様の調理台に、刈り込みをしようと思った姿の乱れたタイムとイタリアンパセリが美しい影を作り、私を惑わせる。 ![]() ![]() 夏 ![]() 驟雨の後、 西の太陽は網戸に残った雨の滴をそっと影だけ家の中に運び、 裏家の庭木の葉っぱも誘い、 誰も見ていないかのように、 こっそり踊って遊ぶ。 国に帰っていた時、あちこちの家でwi-fiを使わせてもらった。
教えてもらったパスワードを入れたら、いくつものネットワークにつながってしまうことがたくさんあった。 12345…と数字だけそのまま並べて使うか、後ろにアルファベットのabcを順にいくつか足すだけかのパスワードだらけだった。 驚いて、ダメよと言ったけど、通信の事がやたらと詳しい人たちなのだけれど、誰も真剣に気にしなかった。 ![]() ![]() 春色をすぐそばにと思い、食事室の窓辺に置いている。Kはテーブルに上り、その美しい影を自分の足に乗せて遊んでいる。 ![]() すごいなすごいな。子どもはわがままの一つさえ無駄にあるのではないのね とYに話したら、『3歳児の世界』を一人で出かけた古本祭りのお土産にとくれた。 わははと笑った。文字がぎっしりしてるぅ。センモンの人の読み物だ と言いつつ、今年の初夏に、Kが三歳になるのだ。センモンと言えばセンモンだ。 自分たちが学生のごろに授業を受けた先生の書いたものだよ と、二週間後、ハンドブックをYに渡された。あらららら、わははと受け取った。 幸い、中に図書館の抹消印があるものだった。 2月15日(火)
![]() ![]() 次の日のお昼ご飯も待たずに、 もうゆくもうゆくもうゆく と騒ぐ。 そして足早と屋根から滑り落ちるようにして逃げて帰り、 その逃げ足で庭を汚してゆき、 中にドサッと屋根から転び落ちるうっかり者もいる。 ある者は軽快なステップを踏み、 ポッタポッタポットポット、と瀟洒に発ってゆく。 けれど梅畑の下にいる者たちは、 どんなに子どもたちが起こそうと、 まだまばらな花と、いっぱいの蕾がついた枝の影を毛布にして静かに眠っている。
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by futaribocchi_ing カテゴリ
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